=しなやかな心で=
私たちは、とかく褒(ほ)められれば有頂天(うちょうてん)になりやすく、文句をいわれれば怒りやすく、またきれたり、時にはへこんだりと…。
私たちが生活していくうえで、何かとストレスがたまる、またはたまりやすい現代の社会です。
さて、私たちの身の回りには8つの風が吹いているといわれています。喜んだり、しょげたり、傷付けられたり、感謝されたり、尊敬されたり、陰口をたたかれたり、辛くなったり、楽しくなったり…。
良い風の吹く日もあれば、嫌な風が吹く日もあります。それが人生といえるでしょう。
生きていればいろいろなことがあったり、またおこったりしますが、それを乗り越えていくためには、何事にも動じない頑強(がんきょう)な心ばかりではありません。また一人では解決できないこともあるでしょう。
どうしても解決できない、良い方向にいかない時は、どうしていいかわからないこと、悩みや苦しみはけっして1人では抱(かか)えず、お寺や公的機関、周りの人に相談してみるとよいでしょう。これも一つの方法です。
木の枝は頑強なほど折れやすいものです。どんな風とも仲良くできる枝垂れ桜のように、また柳の木のように、しなやかにしなやかに生きていきましょう。
思い通りにいかないとき、人としてどんな心構えで暮らしていけばいいのか、そして、人を怨(うら)まず、まず穏(おだ)かな心を保ち、物事を大切に思い、真剣に考え考慮することが事態の好転につながります。
どうか、一人で解決できれば良いですが、できなければ、無理をせず誰かに相談して助けてもらうことも大事ではないでしょうか。
=尊敬(そんけい)と羨望(せんぼう)=
世界や社会で活躍する人たちは、その努力や人柄、結果に対して多くの人から尊敬の心を抱かれます。
しかし、時(とき)として私たちはその副次的に得る富を、成功や尊敬の証(あかし)と短絡的に考え、そこだけを真似することも多いことだと思います。
つまり、高価なものを所有するなどして、尊敬と似(に)て非なる羨望(せんぼう)(人をうらやましく思うこと)を受けたいという欲求を起こすのです。実は羨望は、妬(ねた)みとも解釈されます。
身近で尊敬される人とは、困っていたら手を差し伸べて助けてくれたり、的確な助言をくれたり、いつでも相手のことを思いやり気遣いながら、親身になってくれる人のことをいいます。
あなたにとって、そういった尊敬できる人がいるならば、それはあなたがそこに至りたい、その人のことをうらやましく、同じような人になりたいと思っているからです。ある意味、憧(あこが)れともいえるでしょう。
あなたは、あなた自身のままで尊敬する人を鑑(かがみ)としながら人生を歩んで行けば、意識せずあなた自身が人から尊敬される存在となりうることでしょう。
羨望されたいは捨てて、尊敬されるような生き方をしている方は、知らず知らずのうちに周りをも幸せにしています。また、幸せになっていることでしょう。
あなた自身の生き方を、今一度見つめ直して、考えてみるのもいいのではないでしょうか。
生き方が、羨望なのか尊敬に値するのか、それともそうなりたいと努力しているのか。
あなたは、どちらなのでしょうか。