=恩ある人を助ける=
「恩ある人」とは、必ずしも親類や知人に限らず、また生きとし生けるものすべては、はたまた生き物の生存を可能にしている地球環境全体をも含まれたものと理解してよいのではないでしょうか。
私たちは、この世に生命工学的にいえば250兆分の1の確率でいのちを授かっています。
これを単なる偶然と受けとめるのか、何か大(おお)いなるモノの計らいと受けとめる(必然)かで、その生き方は大きく異なります。
そう考えますと〝私〟や〝すべて〟は、何らかの使命をもってこの世に生まれてきたと受けとめることができます。
そして、その必然をまっとうすることが〝成仏〟ということです。
したがって「仏教をきわめる」とは、「仏となる」ことであり、それと同時に「恩ある人をたすける」ことが行われるのです。
仏教(法華経)という教えを学んで真理(答え)を承知・理解して、そしてそれをもって恩ある人びとを救うのだという自らの生きる姿勢(智慧・勇気・行動)が大事なことなのです。
成仏への道と救済への道とは、前後に分離したものではなく、いつも一体となっているのが仏教の本質です。