=思いを成就するには=
「空に家をつくる」ってどういうこと? と思われるでしょうが、これは実現が難しいということの喩(たと)えです。日蓮大聖人は、この言葉についてこういわれました。「こちらが真剣に祈っているのに、今まで験(しるし)がないのは、あなたの信心(しんじん)が本物ではなく、思いが通じあっていないのだ」と。
皆さんは、お寺でご祈祷やご祈願を頼んだことはありますか? また、その時のあなたの望みは叶(かな)えられたでしょうか? 実は、その願いが成就(じょうじゅ)するか否(いな)かは、あなたの普段の心がけや行動次第なのです。
修行を積(つ)んだ僧侶(そうりょ)がいくら一生懸命にご祈祷やご祈願をして気力(けりき)や経力(きょうりき)を捧(ささ)げても、受け取る側に信仰心(信じる力・想い)がなければ、通じあえるわけはありません。つまり衆生(人間)の「感」と仏の「応」が相互に通じ合い、交じり合うことを指します。具体的には、仏の慈悲の心と衆生の願いの心が通じ合うことや、師と弟子が互いの気持ちを理解し、共鳴し合うことを意味します。感応道交(かんのうどうきょう)(人の「感」と仏の「応」が相互に通じあい、交じりあうことを指します。具体的には、仏の慈悲の心と衆生の願いの心が通じあうことや、師と弟子が互いの気持ちを理解し、共鳴しあうことを意味します)しないのです。
また信仰面だけではなく、私たちがきちんと徳(とく)を積(つ)んでいないと、仏さまや神さまのご守護を受けとることはできづらいのです。
わざと生活がだらしなく、いつも誰かに迷惑を掛(か)けている人の願いごとは、仏さまも神さまも応じてくれません。
そのような人は、周りにいる人たちも離れていくことだと思います。それは悲しいことではないでしょうか。
どうぞ、仏さまや神さまと感応道交(かんのうどうきょう)に近づくことができますように、普段から心がけましょう。